ペット(犬の種類)
アフガン・ハウンド(Afghan hound)
(写真：ウィキペディアフリー百科事典より)
気品と威厳を感じさせる容姿端麗な犬
原産国/アフガニスタン
体 高/オス６８ｃｍ〜７０ｃｍ、メス６３ｃｍ〜６５ｃｍ
体 重/オス２７ｋｇ前後、メス２３ｋｇ前後
被 毛/顔を除いて長く柔らかな毛が豊富に全身を覆う。
毛 色/フォーン、ゴールデン、クリーム、レッド、ブルー、ホワイトやブリンドル等
静かに立っているだけでも気品があって魅力的ですが、走らせるなら流れるような足の運びと風になびく長い毛の美しさに息を飲むでしょう。できるなら走らせることのできる環境で飼ってあげたい犬です。
原産国はアフガニスタンで、バルク地方の４０００年前の遺跡の壁面に姿が描かれています。しかし、エジプト・シナイ半島の山岳地帯が発祥地ともいわれます。一説には旧約聖書にあるノアの箱舟に乗り込んだ犬はこの犬であるといわれ、事実エジプトの古代遺跡からこの犬の姿に似た犬の遺物が発掘されています。
いずれにしろ最古の歴史を持つ犬種のひとつで、長くアフガニスタンで飼われていたのは間違いありません。この地では獣猟犬(ハウンド)として使われてきました。長い足から生み出されるスピードによって、ガゼル、ユキヒョウ、鹿などを狩猟していたのです。足場の悪いところも苦にせず、持久力もあります。
ヨーロッパに知られたのは１９世紀後半です。ここから性格を変えていく努力がなされ、かつての荒々しさはなくなり、かわりに穏やかで従順な犬が誕生したのです。日本に紹介されたのは１９３７年で、第二次世界大戦後に一時人気犬種になりましたが、最近は減少気味です。
体格は背が高く、とくに長くたくましい四肢が目立ちます。全体としてほっそりした感じを受けますが胸は深く、胴体は頑丈にできています。頭蓋は長くて鼻筋が通り、耳は垂れ耳、首はすらっと長く、尾は垂れますが先端がカーブします。
被毛は顔の部分を除いて、柔らかな絹糸状の長い毛に覆われています。特に耳と四肢、尾は見事な飾り毛です。また頭部の長い毛は冠毛といい、特徴のひとつです。
アフガン・ハウンドは、大きくて伸びやかな体つきと長い鼻口部、美しい被毛、そして遠くを見つめる目によって、近寄りがたい気品を漂わせます。おまけに見知らぬ人に対しては、まったく関心がないように振る舞うのです。しかし、これは警戒心が強いからです。
飼い主に対しての態度はまったく違ってきます。感受性が強いので、かまわれると大喜びをし、反対にほっておかれると元気をなくすほどです。常に気を配ってやらなければならない犬種です。では従順かといえば、決してそうではありません。自己主張をするので訓練や躾に時間がかかります。狩猟犬の血を引いているせいか、噛み付く癖もみられます。それでも、このすばらしい容姿をした犬を飼う喜びは少々の苦労をものともしないはずです。
手入れでは、美しい被毛を保つために毎日のブラッシングが欠かせません。
